著者インタビュー:Pythonプロフェッショナルプログラミング 第3版

2018年6月に発売されました「Pythonプロフェッショナルプログラミング 第3版(以下PyPro第三版) 」では、
第2版から書き下ろし章として以下の2章が追加されています。

  • 第6章「Git/GitHubによるソースコード管理」
  • 第15章「プログラマーのための機械学習」

本記事ではそれぞれの担当著者に内容やポイント等を聞きました。

吉田 花春(@kashew_nuts)

PyPro第3版の執筆では何を担当しましたか?

第6章の「Git/GitHubによるソースコード管理」の書き下ろしを担当しました。

PyPro第3版はどんな本だと思いますか?

メインで担当した以外もサブの担当としていくつかの章に携わりましたが、第2版までと比べても洗練されていると思います。 個人やチーム問わず実際に使おうとしたときに役立つ内容がまとまっているのでぜひ手に取ってみてほしいです。

執筆作業の苦労話をどうぞ

初の書籍の執筆ということもありましたが、間違いがないようにと思って執筆したら「@kashew_nutsが書いたことっぽくない」とフィードバックをもらうことがありました。結局何度か書き直してしまいましたが、おかげで迷いながら書いていたところも、吹っ切れてかけたと思います。

担当の章で、読者に特に伝えたいことや意識したことは何ですか?

次のことがわかり、なにかあったときも自分で解決への道筋がわかるようにと意識していました。

  • 混同しがちなGitとGitHubの違いをおさえる
  • 聞いたことはあっても実際には使ったことのないGitのコマンドやGitHubの機能がわかるようになる
  • 単にコマンドや機能の紹介で終わるのではなく、どういうときに使えばいいのかがわかるようになる

PyPro第3版のココを読んで欲しい、ココが最高にわかりやすいetc、自由に語ってください

15章の項目が全4Partにまとまっていますが、その中でも「Part2 チーム開発のサイクル(第4章〜第10章)はぜひ読んでみてほしいですね。

チーム開発で使うツール、課題管理システム、ドキュメンテーションなど普段なんとなく使っているものでも発見があったり、考え方の基準が書いてあったりして面白いです。

読者に一言おねがいします

Pythonに限らずシステム開発を進める上で役立つものが詰め込まれた本ですのでぜひ読んでみてください。

石上 晋(@susumuis)

PyPro第3版の執筆では何を担当しましたか?

15章プログラマーのための機械学習第1節〜第3節を執筆しました。

PyPro第3版はどんな本だと思いますか?

言語や個別の技術の解説ではなく、それらを組み合わせた「プロの仕事術」という作品だと思います。Webも機械学習も「仕事として」プログラミングをする人全てにおすすめの本です。

執筆作業の苦労話をどうぞ

社内で機械学習案件の経験者が少なく、また、同じ視点で書かれた書籍などは他にないため、何をどのように伝えたらよいか白紙の状態からのスタートでした。また、自分自身が初の執筆経験であったため、日本語の言い回しで苦労しました。一人ではとても扱うことができず何度も会議を開き、多くの人からのアドバイスを受け、やっとのことで書き切ることができました。

担当の章で、読者に特に伝えたいことや意識したことは何ですか?

これまでWebなどの案件を多く経験された方がこれから機械学習の仕事に携わるにあたって「どうしたらよいか不安」と思われる方が多いようです。そのような方々に自分が経験して得たことを共有し、安心して仕事に取り組んで貰えるように願って執筆しました。

自分が2年前、社内で初めて機械学習案件に携わった時、どこから手を付け、誰とどのように調整すれば良いのか全くわかりませんでした。そのため、適切なタイミングで必要なことを聞けなかったり、あまり重要でないことに時間を使ってしまい、工数オーバーしてしまうこともありました。 それでもいくつか案件をこなす中で、だんだん機械学習案件の全体像がわかりました。

機械学習案件を仕事で扱うためには、仕事の全体像、スケジュール感、優先度感を身につけることが大切です。それさえ身につければ、後は、システム開発などの経験があるプログラマーなら、適宜、報告・連絡・相談をしながら仕事をこなすことができます。

そこで、データサイエンティスト等の専門家を目指す人に向けて語られがちな機械学習の技術を、プログラマーが仕事という視点で再定義し、仕事のフローを定義しました。

PyPro第3版のココを読んで欲しい、ココが最高にわかりやすいetc、自由に語ってください

15章の章末「機械学習開発で知っておきたいプログラミングテクニック」というコラムがあります。たった2ページのコラムですが、実際の仕事で培ったノウハウが凝縮しています。第1節から第4節を読み終えた人が、このコラムの内容を理解していただくことによって、僕らが踏んできた罠にはまらずスムーズに問題を解決できるはずです。

読者に一言おねがいします

お買い上げいただきありがとうございます!技術が日々進化する中、現時点の我々のベストプラクティスをどうぞお楽しみください。

著者インタビュー

次ページでは、改訂部の担当著者からのコメントを掲載しています。
アップデートされた内容などを聞いています。